和歌山県立紀伊風土記の丘の中核を成す「岩橋千塚古墳群」は、5世紀末から7世紀前半にかけて築造された近畿地方最大級の群集墳です。1971年の開館以来、半世紀以上にわたって考古学・民俗学の研究拠点として機能しており、現在でも考古遺産の保存活用において全国モデルケースの一つに挙げられます。
この古墳群の最大の特徴は、「岩橋型横穴式石室」と呼ばれる独自の石室構造にあります。玄室(遺体を安置する部屋)の空間に青石(緑色片岩)を積み上げ、壁面から突き出た「石棚(いしだな)」や空間を渡す「石梁(いしばり)」を架設する工法は、全国の古墳を見渡しても紀の川流域特有の極めて特異な建築様式です。現地を訪れると、当時の土木技術の高さと、強大な権力を持った紀伊勢力の独立性を肌で感じ取ることができます。
2026年から2026年にかけては「和歌山ミュージアムコレクション」等を通じた多言語化やデジタルアーカイブの整備が進み、国内外の古代史ファンから改めて熱狂的な視線が注がれています。