日本映画史を振り返れば、かつて松竹が手掛けた1977年版の映画や、角川映画が打ち立てた一大ミステリーブームは、今なお語り継がれる金字塔である。映画『八つ墓村』は、そうした日本映画黄金期のDNAを正統に継承しつつ、21世紀の映画表現として再構築された一大プロジェクトだ。
昭和の劇画的で重々しい空気感を現代のハイエンドなシネマティック映像に昇華。哀しくも美しいテーマ曲や緻密な色彩設計に至るまで、至高の邦画ミステリー映画として完成度の高さを誇る。時代を超えて日本人の遺伝子に響く怪奇とロマンが、ここに結実した。