小学生夏休み自由研究実験の現場で最も差がつくのが、土台となる種結晶の作り方と、徹底したろ過の手順と注意点の遵守です。巨大で美しい宝石のような正八面体を作るには、2段階のステップを正確に踏む必要があります。
ステップ1:完璧な「正八面体」の種結晶を選別する
まずは浅いシャーレや小皿に、常温まで冷ました飽和水溶液を深さ1cmほど注ぎ、ホコリが入らないようキッチンペーパーを被せて1〜2日静置します。水分が蒸発するにつれて、底に無数の小さな結晶が現れます。ここで絶対に妥協してはいけません。ピンセットとルーペを使い、「欠けがなく、角が鋭利で、内部が完全に透き通っている正八面体の粒(2〜3mm程度)」を1つだけ厳選します。土台となる種結晶の形状の歪みは、巨大化した際にそのまま拡大されてしまうためです。
ステップ2:テグス(釣り糸)への固定とろ過の鉄則
選んだ種結晶に、細いナイロン製のテグス(0.8号〜1号程度)を結びつけます。木綿糸やタコ糸を使うと、糸の繊維の凹凸にミョウバンが付着して無駄な結晶が房状に生えてしまうため、表面が平滑な釣り糸を使うのが鉄則です。
次に、種結晶を沈める親水溶液を準備しますが、ここで必ず実行すべき工程がコーヒーフィルターによる「ろ過」です。目に見えない微細なホコリや溶け残りの粒子が容器内に浮遊していると、供給されるミョウバンがそれらに奪われ、本命の結晶が大きくならない理由となります。ろ過を行う際は、漏斗やフィルターをあらかじめお湯で温めておくことが不可欠です。冷たい器具を通すと、その瞬間に溶液の温度が下がり、フィルター上で結晶化が始まって目詰まりを起こしてしまいます。