「なめたらあかん〜 なめたらあかん〜 ひとなめ したら どうなるの〜」という強烈なメロディが初めてお茶の間に流れたのは、1998年(平成10年)のことでした。当時、演歌歌手としてトップランナーだった天童よしみさんが、ノーベル製菓の主力商品『VC-3000のど飴』のイメージキャラクターに起用されたことがすべての始まりです。
当時、のど飴のCMといえば「爽やかさ」や「ハーブの効能」を静かにアピールするものが主流でした。しかし、ノーベル製菓と制作陣が打ち出したのは、天童よしみさんの卓越した声量と関西弁のパンチを前面に押し出す逆転の発想でした。ド派手な衣装をまとい、真剣な眼差しで「なめたらあかん」と熱唱するシュールかつ力強い映像は、瞬く間に子どものから大人まで日本中の心を掴みました。
歴代のCM展開では、CG合成された無数の天童よしみさんが合唱するバージョンや、巨大化した天童さんが街に現れるシリーズなど、斬新な演出が次々と投入されました。芸能関係者の証言によると、「演歌歌手のパブリックイメージを損なわず、むしろ老若男女に愛される親しみやすさを獲得した希有な広告成功例」として、現在も広告業界のケーススタディとして語り継がれています。