購入検討者が最も不安視するのは、「商用バンをファミリーユースにして本当に快適に過ごせるのか」という点に尽きます。Web上のコミュニティやSNSを調査すると、安易に購入して後悔したという声には明確な共通パターンが存在します。
最大のネックとなるのがハイエースのファミリーカーにおける乗り心地と静粛性です。ハイエースの足回りは、最大1,000kgの荷物を積載することを想定した「リーフスプリング(板バネ)」構造を採用しています。そのため、乗員と日常の手荷物程度しか載せていない状態ではリヤサスペンションが硬く突っ張り、段差を超えるたびに突き上げるようなショックが後席を直撃します。乗用ミニバンが採用するトーションビームやダブルウィッシュボーンのような、しなやかで乗員を包み込むような乗り味を期待していると、家族から「跳ねて酔う」「長時間のドライブが疲れる」と不満が噴出する原因になります。
日常の使い勝手における物理的なハードルも見逃せません。床面地上高が高いため、未就学児や高齢者が自力で乗り降りする際にはアシストグリップをしっかり掴む必要があり、ステップへの配慮が不可欠です。また、手動スライドドア仕様の場合はドア自体が大きく重いため、傾斜地での開閉には大人のサポートが欠かせません。さらに、標準ルーフでも全高が1,980mmあるため、都市部に多い2.0m制限の立体駐車場では屋根を擦るリスクと隣り合わせになるなど、都市型ライフスタイルでは思わぬ制約を受ける局面があります。