物語の象徴的な舞台であるトモエ学園。廃車となった電車を教室として再利用し、決まった時間割を持たず、好きな授業から自由に始めるという画期的な試みは、校長である小林宗作の類まれな教育情熱から生まれた。
小林先生がトットちゃんに繰り返し語りかけた「きみは、本当は、いい子なんだよ」という言葉。この一言が、一見破天荒に見える少女の自己肯定感をどれほど深く育んだことか。身体に障がいを持つ子供たちも、何の隔たりもなく共に学び、泳ぎ、笑い合う。80年以上も前に東京の目黒で実践されていたこの先進的な教育現場の光景は、現代の私たちが目指すべき理想郷の姿をくっきりと映し出している。