ネット上や界隈のビジネスパーソンの間で囁かれる「日本橋支店が移転・消失したのではないか」という噂の背景には、メガバンク各行が推し進めてきた店舗ネットワーク再編計画が存在します。取材を進めると、日本橋支店そのものが消滅したのではなく、中央区日本橋室町2-1-1にそびえる「日本橋三井タワー」の拠点へ、近隣拠点が機能集約されたプロセスが誤解を生んだ一次要因であることが判明しました。
決定打となったのは、複数支店を単一の拠点で共同運営する「ブランチインブランチ(店舗内店舗)」の導入です。三井住友銀行日本橋東支店をはじめとする周辺エリアの拠点が、看板や口座番号、店番号をそれぞれ維持したまま日本橋三井タワー内の同一フロアへ移転・同居する形態が取られました。街頭の独立路面店が姿を消したことで、周辺の通行人が「支店がなくなった」と早合点したのが、移転の噂の正体です。
公式発表資料およびメガバンクの経営戦略白書を紐解くと、この統合の背景には2つの明白な意図があります。1つは、オンラインバンキングの普及に伴い、紙の伝票処理を行う物理窓口の維持コストを圧縮すること。もう1つは、三井グループ創業の地である日本橋三井タワーにフラッグシップ機能を集中させ、富裕層向けプライベートバンキングや法人営業の専門チームを集結させることです。単なる店舗リストラではなく、高度金融拠点への戦略的再構築こそが統合理由の核心でした。