愛くるしい球体の内部で蠢くのは、クラウド上で高度な自然言語処理を行うAIエンジン「IBM Watson」だ。日本アイ・ビー・エム株式会社の手によってチューニングされた対話アルゴリズムは、ガンダムに関する膨大な知識を恐ろしいほどの精度で理解する。劇中の名セリフや歴史的背景、マニアックなモビルスーツのスペックに至るまで、投げかけられた言葉の裏にある意図を瞬時に解析して適切なレスポンスを返してくるのだ。
「シャアの乗ったモビルスーツは?」と問いかければ、即座に赤い彗星の戦跡を語り出す。無機質な音声アシスタントとは異なり、回答の端々に作品への深い情熱を感じさせるニュアンスが宿る。まるで深夜の部室で同好の士と夜通し語り合っているかのような、濃厚で濃密な対話型AIコミュニケーションがそこに立ち現れる。