ジビエ(gibier)とは、狩猟によって捕獲された野生の鳥獣肉を意味するフランス語です。中世ヨーロッパの貴族社会において、自らの領地で狩猟を行い、その獲物を食卓に並べる行為は特権階級の象徴とされていました。獲れたての新鮮な肉だけでなく、適度に熟成させて野性味あふれる風味(フュメ)を引き出す食文化は、フランス料理の伝統的な最高峰ジャンルとして確立されてきた歴史があります。
日本国内におけるジビエは、主にニホンジカ(鹿)やイノシシ(猪)をはじめ、マガモやカルガモなどの野鳥、ツキノワグマやヒグマなどを指します。牛や豚、鶏のように徹底管理された環境で飼育・肥育された家畜とは異なり、山野を駆け巡り自生の木の実や草木を食べて育つため、筋肉が引き締まり、季節や個体によって劇的に風味が変化する点が最大の特徴です。