気象庁の統計値だけでは捉えきれない「街のリアルな気候特性」について、現地取材や地域住民の証言、コミュニティの記録を検証すると、山陽小野田市ならではの明確な地域差が浮かび上がってきます。
厚狭地区の古くからの住民は次のように語ります。
「テレビのニュースで『山口県は晴れ』と言っていても、旧山陽町エリア(厚狭周辺)は周囲を小高い丘陵に囲まれているため、夏場は熱気がこもって猛烈な夕立が起きやすい。山陰側から冷たい風が山を越えて吹き下ろしてくると、一瞬で気温が5度以上急降下して突風が吹く。この冷たい風が肌に触れたら、畑作業を中断して家に入るのが先祖代々の知恵です」
一方、沿岸部の小野田港や新沖波止、きららビーチ焼野周辺で活動するマリンスポーツ関係者や釣り愛好家からは、全く異なる視点の声が上がっています。
「沿岸部は内陸ほど激しい雨にならなくても、風向きが北東から南西に回った瞬間の突風が怖い。関門海峡を抜けてくる風が絞り込まれて加速するため、スマホの一般天気アプリでは風速3メートルと表示されていても、堤防上では突風10メートルを超えることがザラにある」
SNSや地域掲示板の投稿データを検証しても、「厚狭で土砂降りなのに小野田駅前は傘すら差していない」「竜王山の展望台から見ると、有帆川の上流側だけに真っ黒な雨柱が立っているのが肉眼で見える」といった目撃情報が多数寄せられています。このように、市内であっても内陸盆地型気候の厚狭と海洋性気候の小野田臨海部では、体感温度も天候の推移も全く異なるという現実を頭に刻んでおく必要があります。