勝・中村家の歴史を語る上で避けて通れないのが、長男・鴈龍さんの存在と、母・玉緒さんの現在の介護体制です。
鴈龍さんは映画の撮影現場での事故や俳優としての伸び悩みから、晩年は芸能界を離れ、名古屋などでアルバイト生活を送りながら孤独のうちに生涯を閉じました。勝新太郎さんのカリスマ性と母の過剰な愛情の間で葛藤し続けた息子の死は、中村玉緒さんに計り知れない打撃を与え、これが玉緒さんの認知機能や体調の低下を加速させた一因とも言われています。
弟の死後、真季さんは母のケアに直面することになりました。かつては母娘で都内の高級マンションに同居していた時期もありましたが、2020年代に入り、玉緒さんは専門的なケアが受けられる介護施設(サービス付き高齢者向け住宅および有料老人ホーム)へ生活拠点を移しました。
一部の週刊誌では「娘による母の施設預け入れ」「絶縁状態」といった扇情的な見出しが躍ったこともあります。しかし、介護現場に詳しい関係者の証言によると、これは親族による「抱え込み介護の限界」を防ぐための現実的かつ合理的な選択でした。真季さん自身も60代を迎えて体調面での不安を抱えるなか、プロの手による24時間体制の見守りを選び、自身は金銭管理や手続き、定期的な面会を担当するという、現代社会における極めて標準的で健全な介護の形をとっています。