引退から約1年が経過した2017年の春、運命の歯車が再び動き出します。街を歩いていた彼女に声をかけたのは、大手芸能事務所・研音のスカウト担当者でした。
担当者は当初、彼女がかつて名を馳せた名子役「吉田里琴」であることを知らず、純粋に街中で目を引く抜群のオーラとビジュアルに惹かれて声をかけたと伝えられています。その後、素性を知った事務所側からの熱烈なオファーを受け、彼女の心の中に眠っていた「演じることへの情熱」が再燃しました。
普通の女子高生としてアルバイトや日常を満喫したことで、「自分にはやはりお芝居しかない」「もう一度、表現の場に立ちたい」という気持ちが、誰からの強制でもなく自分自身の内側から湧き上がってきたのです。
復帰にあたり、彼女は本名である「吉田里琴」ではなく、「吉川愛(よしかわ あい)」へと改名しました。子役時代の華々しい実績にすがることなく、過去の栄光を一度手放し、新人の心構えでゼロから勝負するという強い覚悟の表れでした。
2017年7月期の日テレ系ドラマ『愛してたって、秘密はある。』で女優復帰を果たすと、ブランクを一切感じさせない繊細な演技を披露。かつて天才子役として鳴らしたテクニックに、等身大の人間的な深みが加わったことで、業界関係者はこぞって彼女の復帰を歓迎しました。