音楽史において「Life goes on」と名付けられた楽曲は、いずれもアーティスト自身のアイデンティティや社会情勢が激しく揺れ動いた時期に誕生しています。各グループがこのタイトルに託した制作秘話とメッセージ性を読み解きます。
2020年11月にリリースされたBTSのアルバム『BE』のタイトル曲「Life Goes On」は、世界的なパンデミックによって突如日常を奪われた世界中のリスナーへ向けた渾身のメッセージソングでした。華やかなパフォーマンスと疾走感を前面に出した「Dynamite」の直後、メンバー自身が作詞・作曲やビジュアル統括に深く関与。「ある日突然、世界が止まってしまったけれど、それでも人生は続いていく」というBTS 楽曲解説において語られる本質は、派手な応援ではなく、同じ痛みを共有する静かな連帯感でした。歌詞 和訳の随所に見られる「冬が過ぎればまた春が来る」というメタファーは、孤立感を深めていた世界中のファンに強い希望を与えました。
一方、King & Prince(キンプリ)が2023年2月にリリースした12枚目シングル「Life goes on」は、広瀬すず主演・永瀬廉出演のTBS系火曜ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』のエンディング曲としてドラマタイアップされました。当時5人体制の活動終了を控えていた時期のリリースであったため、ファンの間では歌詞の一行一行が大きな注目を集めました。楽曲自体はブラスサウンドが心地よいポジティブなミディアムチューンであり、「かけがえのない友情や日々の小さな幸せを大切にしよう」という極めて温かな世界観が描かれています。
さらに遡ると、Dragon Ashが2002年に発表した「Life goes on」は、社会現象となった名曲です。CD売上枚数80万枚以上を記録し、J-PHONEのCMソングとしても広く浸透しました。Kj(降谷建志)が紡いだメロディアスなラップとアコースティックギターの音色は、ミレニアム前後の混沌としたユースカルチャーに対し、「立ち止まりながらも歩み続ける強さ」をストレートに提示しました。