さなぶり餅を入手しようとする際、最大の障壁となるのが「極めて限られた販売期間」と「消費期限の短さ」です。
例年、奈良県内の和菓子店や産地直売所では、田植えが本格化する6月中旬から販売ののぼりが立ち始め、半夏生(7月2日頃)をピークに7月上旬には姿を消します。店頭販売期間はおよそ2〜3週間程度と短く、まさに季節の移ろいとともに現れて消える限定品です。
地元で愛される有名店や実力派和菓子店では、職人が毎朝早朝から小麦を炒り、餅を搗きあげます。SNSや旅行者の口コミでも「午後には売り切れていた」「当日中に食べないと固くなるが、その固さこそ本物の証拠」といった声が寄せられており、出来立ての水分を含んだ柔らかさと、きな粉の香ばしさは現地でしか味わえない贅沢とされています。
一方、遠方からの需要に応えるため、一部の老舗やオンラインショップでは「急速冷凍技術」を活用した通信販売が展開されています。搗きたてを瞬間冷凍することで、解凍後も小麦の風味やもち米の弾力を損なわずに全国へ届ける試みが定着してきました。ただし、解凍後は数時間以内に食べる必要があるため、食べる分だけ自然解凍する工夫が求められます。