老舗メーカーが大手チェーンに買収された際、SNSやレビューサイトで必ず巻き起こるのが「コスト削減で味が落ちたのではないか」「昔ながらの風情が失われた」という懸念です。亀屋万年堂の買収時にも、X(旧Twitter)や知恵袋、5ちゃんねる等ではファンの間で不安が囁かれました。
しかし、実際のネット上の反応や実食レビューを長期追跡すると、そうした懸念は完全に杞憂であったことが浮き彫りになります。むしろ「生地のパサつきがなくなり、しっとり感が増した」「クリームの脂っこさが消えて上質になった」という好意的な評価が圧倒的多数を占めているのです。
この品質向上の背景には、シャトレーゼが誇る調達網の恩恵があります。シャトレーゼは山梨県白州の工場をはじめ、契約農家から産みたての卵や搾りたての牛乳を即座に加工する仕組みを持っています。この流通インフラが亀屋万年堂の製造ラインにも共有されたことで、ナボナの命である卵と小麦の鮮度が劇的に向上。結果として、保存料や余計な添加物に頼らずとも、より豊かな風味と保水性を実現できるようになりました。
さらに現場で大きな話題を呼んだのが、リニューアルに伴って投入された新商品「生ナボナ」の存在です。従来の常温保存できるナボナとは異なり、要冷蔵のチルドスイーツとして開発されたこの商品は、ホイップクリームとカスタードを贅沢にブレンドし、まるでシフォンケーキのような極限のふわふわ食感を実現しました。自由が丘本店や都内直営店では連日夕方を待たずに完売するほどの人気を博し、「シャトレーゼの技術がナボナを一段上のステージへ押し上げた」と往年のファンからも称賛を集めています。