大学のパンフレットに踊る「薬剤師国家試験合格率90%以上」という華々しい数字をそのまま受け取るのは早計です。厚生労働省が発表する薬剤師国家試験合格率 比較データには、「出願者数」「受験者数」「合格者数」の3つの段階があり、大学によって算出母集団が異なります。
一部の大学では、国家試験の合格率を高く見せるため、事前の卒業試験や模擬試験で基準に達しない学生を大量に卒業延期(留年)させ、上位層のみを受験させる選別システムを敷いています。文部科学省が公表する「各大学の修学状況」を検証すると、入学定員に対する標準修業年限(6年間)での卒業率およびストレート国家試験合格率は、大学間で40%台から85%超まで激しい開きが生じています。
大手掲示板やSNS、知恵袋に投稿された薬学生の生々しい体験談でも、「3年次から4年次への進級でクラスの3割が脱落した」「卒業判定試験のハードルが高く、国試を受けさせてもらえない」といった声は後を絶ちません。1年留年するごとに私立大学では200万円前後の学費が追加発生し、卒業が遅れる分の逸失利益も膨らみます。志望校を検討する際は、大学公表の表面的な合格率ではなく、「6年前に何人入学し、そのうち現役で何人が合格したか(ストレート合格率)」を必ず照らし合わせる必要があります。