猫の体表の大半は密集した被毛に守られていますが、蚊の吸管が皮膚に届く脆弱な部位が存在します。それが「耳介(耳の皮膚)」「鼻梁(鼻筋)」「まぶたの周囲」「肉球の隙間」です。血管が皮膚のすぐ浅い層を通っており、かつ毛量が極めて少ないため、蚊にとっては格好の吸血ポイントとなります。
実際に猫が蚊に刺された場合、刺された直後から数時間〜数日にかけて以下のような初期症状が現れます。
- 耳介の腫れと発赤:耳の先端や縁が赤く腫れ上がり、触れると熱感を帯びる。
- 頻繁な後肢での掻爬(そうは):かゆみから後肢で耳を激しく引っ掻き、爪で皮膚を傷つけて出血する。
- 頻繁な頭部震動:耳の中に異物感やかゆみを感じ、頭を激しくプルプルと振る。
- 鼻筋の紅斑・小水疱:鼻の頭や皮膚との境界部分に小さな赤いブツブツができ、次第に黒っぽいかさぶたへと変化する。
健康な成猫であれば、数日で軽快することもあります。しかし、アレルギー体質を持つ個体や免疫系が過剰反応を起こす場合、局所的な刺咬痕にとどまらず、顔面全体に病変が拡大するリスクを孕んでいます。