山根基世の活動を語る上で欠かせないのが、子どもたちへの言葉の種まきだ。公益財団法人伊藤忠記念財団などと連携し、子どもの読書推進や「子どもと本をつなぐ」活動に長年情熱を注いできた。全国の図書館や教育現場に足を運び、自ら絵本を開いて生の声を届ける活動を地道に続けている。
幼少期に豊かな言葉の響きを耳から浴びることは、感情や共感力を育む上で代えがたい栄養となる。デジタルデバイスが早期から浸透する環境だからこそ、肉声で物語を語り聞かせる時間の尊さは計り知れない。自らの名声におごることなく、未来を担う世代へと言葉のバトンを渡し続ける姿勢に、表現者としての確固たる倫理観が宿っている。