W杯が開催されるたび、国内の熱狂の裏では熱烈なサッカーファンと一般ライト層の間で評価の分断が起きてきました。SNSや5ちゃんねる、知恵袋といったコミュニティ上で交わされるファンの生の声からは、ピッチ上の成績に対するシビアな視線が浮かび上がります。
2022年大会前、森保監督への批判は頂点に達していました。「戦術がない」「選手任せのメモ取り監督」という辛辣な書き込みがネット上に溢れ、親善試合での低調なパフォーマンスに対してスタジアムではブーイングが飛び交いました。しかし、ドイツ・スペインを撃破した瞬間、世論は180度反転し「森保マジック」と称賛される事態となりました。この現象に対し、古くからの代表サポーターからは次のような冷静な指摘がなされています。
「強豪に勝ったのは痛快だったが、コスタリカ戦のように自らブロックを敷いて引いた相手を崩すアイデアは皆無だった。ベスト16でクロアチアに負けたのも、結局自分たちから試合を動かせなかったからだ」(30代・スタジアム観戦歴15年のサポーター)
「ドイツやスペインに勝てたのは、相手が日本を格下と見て前がかりになってくれたから。最初から日本を警戒し、手堅く守ってきたクロアチアに対して手詰まりになった事実を忘れてはならない」(5ch代表スレッドより)
現場を取材する記者席の視点でも、評価は二分していました。欧州クラブで日常的にハイレベルな戦術指導を受けている主力選手たちと、代表チームの戦術的落とし込みとの間に生じていたギャップです。実際、カタール大会期間中には遠藤航選手や吉田麻也選手らベテラン勢が宿舎で深夜まで選手間ミーティングを重ね、指揮官に対して守備の立ち位置変更を直訴した経緯が報じられています。ピッチ上で選手自らが下した柔軟な判断力こそが強豪撃破の真因であり、ベンチワークだけの功績ではなかったという現場のリアルがそこにあります。