伝統的なベトナム料理の枠組みから解き放たれたことで、ライスペーパーは日本の食品産業や外食シーンにも大きな地殻変動を起こしている。輸入食品店だけでなく、一般的なスーパーの精肉売り場や青果売り場にもライスペーパーが並ぶようになった。メーカー各社は「大判」「四角形」「厚手」など、焼く・揚げる調理に特化した新規格を投入し、売り上げを前年比で大きく伸ばしている。
さらに創作の波は甘味の世界へも波及した。水戻しした生地にきな粉と黒蜜をかけるだけで即席の「わらび餅風」に変身し、フルーツとホイップクリームを包めば「もちもちクレープ」に早変わりする。原料が米粉とタピオカ粉、塩という極めてシンプルな構成だからこそ、塩味から甘味まであらゆる調味料のキャンバスになり得るのだ。