だんじりの最上部で舞い踊る「大工方」は、祭りの華であると同時に最も過酷なポジションだ。全速力で動く屋根の上で指示を出し、大団扇を振って進行方向を合図するが、急ブレーキや急旋回の衝撃で振り落とされる危険と隣り合わせだ。数メートルの高さからアスファルトへ叩きつけられれば、命の保証はない。
一方、ロープを引く「曳き手」たちもまた極限の緊張状態に置かれている。前方を走る曳き手が転倒すれば、後ろから押し寄せる後続の集団やだんじり本体に踏み潰される恐怖が襲う。数千人の足並みと意志が完璧に同調しなければ、だんじりは凶暴な塊へと変貌する。一瞬の判断ミスが自他ともに命を脅かす過酷なプレッシャーの中で、曳き手たちは走っている。