Web上のQ&Aサイトや学習掲示板では、図形問題に関する危険な誤解が散見されます。その最たるものが、「展開図の面積から直接体積を導き出せる特別な裏ワザがある」という誤った情報です。
結論から言えば、展開図の面積(表面積)から体積を直接一発で求める公式は存在しません。三角柱の展開図と体積計算が連動した問題が出題された場合、必ず以下の手順で「立体を頭の中で組み立て直す」作業が必要になります。
まず、展開図の中から2枚ある三角形を見つけ出し、これが底面であることを特定します。次に、長方形の折れ線部分から「どの辺とどの辺が組み合わさって立体の高さになるか」を割り出さなければなりません。ネット上の安易な解説を鵜呑みにして「展開図全体の面積を高さで割れば体積が出るのでは」といった錯覚に陥ると、完全に泥沼にはまることになります。
もう一つの深刻な盲点は、前述した「立体の高さ」に対する思い込みです。問題図において、立体が縦に美しく立っているとは限りません。斜めに傾いていたり、横倒しになっていたりする場合でも、立体の高さとは『2つの底面(三角形)同士の間の最短距離』を指します。どれだけ図形が傾いて描かれていようとも、底面同士を垂直に結ぶ線の長さこそが「高さ」であるという幾何学の本質を忘れてはなりません。