厚生労働省が公表する「賃金構造基本統計調査」の最新動向および医療・介護業界の求人統計を総合すると、2026年における言語聴覚士の平均年収は約425万〜438万円(平均年齢35〜37歳、賞与込み)の間で推移しています。月額基本給の平均は約28万〜30万円ですが、ここから健康保険、厚生年金、雇用保険、所得税、住民税が控除されるため、毎月の言語聴覚士の手取り額は約22万〜24万円にとどまります。
養成校を卒業して現場に出たばかりの新卒者の場合、初任給の額面相場は21万〜23万円程度です。住民税が引かれない1年目の春であっても、社会保険料等の天引きによって実際の口座振込額は手取り17万〜18万円台となるケースが一般的です。奨学金の返済や一人暮らしの生活費を抱える若手STにとって、この数字は決して余裕のある水準とは言えません。
リハビリテーション3大資格である「理学療法士(PT)」「作業療法士(OT)」との間で待遇差が存在するのかという疑問も頻繁に聞かれます。国公立病院や大規模医療法人では3職種同一の給料表が適用されるケースがほとんどであり、基本給そのものに大きな職種間格差はありません。しかし、勤務する施設の種別比率や当直の有無によって微小な乖離が生じています。
上の表が示す通り、同じ医療技術職でありながら看護師と比較して年収に約70万円以上の差が生じる根本要因は、基本給の格差ではなく「夜勤手当・交代制勤務手当の有無」にあります。日勤のみでカレンダー通りに休めるワークライフバランスの良さと引き換えに、毎月の現金手取りが低く抑えられているのが言語聴覚士の直面する現実です。