旅の拠点をどこに置くかは、旅行体験の質を左右する極めて重要な選択です。高山市内には、市街地に位置し観光至便な「飛騨高山温泉」と、北アルプスの麓に広がる大自然に抱かれた「奥飛騨温泉郷」の2大温泉地が存在します。
市街地の温泉旅館は、夜の町並み散策や地元の居酒屋・バーを巡りたい行動派から絶大な支持を集めています。歴史ある数寄屋造りの老舗旅館から、モダンな温泉露天風呂付きホテルまでバリエーションも豊富です。一方、駅から車や路線バスで約1時間の距離にある奥飛騨温泉郷(平湯・福地・新平湯・栃尾・新穂高)は、日本屈指の豊富な湧出量を誇り、野趣あふれる露天風呂と圧倒的な静けさが評判です。観光の利便性を最優先するなら市街地、日常の喧騒から完全に切り離された湯治体験を求めるなら奥飛騨という明確な棲み分けが成り立っています。
そして、旅行者がもっとも油断しやすいのが高山市特有の「内陸性盆地気候」です。標高約570メートルに位置する市街地は、日中は日差しが強くても、朝晩は急激に冷え込みます。
春(4〜5月)や秋(10〜11月)は、日中20度近くまで上がっても朝晩は一桁台まで気温が下がることが日常茶飯事であり、着脱しやすいウインドブレーカーやカーディガンが手放せません。夏(7〜8月)であっても熱帯夜になる日は少なく、夜間は薄手の長袖が一枚あると安心です。そして冬(12〜3月)は、最低気温が氷点下10度近くまで冷え込む厳冬期となります。しっかりとしたダウンコートはもちろん、足元からの底冷えを防ぐ厚手のソックス、そして凍結した路面で転倒しないよう靴底に深い溝がある防寒・防滑ブーツの着用が必須です。