政権の中枢を離れた後も、その影響力は衰えていない。法整備の議論を加速させる契機となった経済安全保障推進法の制定過程には、彼が在任中から蒔き続けていた種が大きく花開いたと言える。半導体など特定重要物資の供給網確保、基幹インフラの事前審査、先端技術の開発支援、そして特許出願の非公開化という4つの柱は、経済と安全保障の一体化を示す象徴的な法体系である。
自らの実践と理念をまとめた著書『経済安全保障』は、政財界のリーダーにとって必読の書となっている。同書で提示された問題意識は、企業経営において安全保障リスクを「コスト」ではなく「持続可能性のための必須投資」と捉え直す視点を提供した。単なる法解釈を超えた戦略的思考が、民間企業の実務層にも浸透しつつある。