二荒山神社に関するネット上の誤解として最も多いのが、「日光と宇都宮は同じ神様を祀っている」というものです。確かにどちらも「二荒山神社」という名称を持ち、古代の下野国という同じ地域に由来しますが、祀られている神様は全く異なります。日光が大己貴命を主祭神とするのに対し、宇都宮は豊城入彦命を主祭神としており、ご利益の傾向も異なります。
さらに、二荒山神社の「二荒」という名前の由来にも諸説あります。一般的には、男体山を「二荒山(ふたらさん)」と称したことに由来するとされますが、元々は「二荒(にこう)」=「日光(にっこう)」の語源になったという説も有力です。日光の地名自体が、二荒山神社の信仰から生まれたという歴史的な重みは、もっと知られるべき事実でしょう。
もう一つの盲点は、日光二荒山神社が世界遺産「日光の社寺」の構成資産であるという事実の深層です。東照宮や輪王寺と比べると知名度では劣るかもしれませんが、日光山全体の信仰の原点として、この神社がなければ現在の日光は存在しなかったと言っても過言ではありません。神仏習合時代の名残を色濃く残す社殿群や祭祀の形式は、日本の宗教史を考える上で極めて貴重な文化遺産です。
また、御朱印やお守りについての誤解もあります。「二荒山神社の御朱印は日光と宇都宮で同じデザインでは?」という質問を時折見かけますが、実際は全く異なります。日光二荒山神社の御朱印は、本社と大国殿、さらに男体山登拝の際にいただける奥宮のものなど複数種類が存在し、書き置きと直書きの両方に対応しています。一方、宇都宮二荒山神社の御朱印は、シンプルながらも力強い筆致の社名印が特徴です。
お守りについても、日光では縁結び守や男体山登拝守など山岳信仰にちなんだものが多く、宇都宮では武運長久や勝運にちなんだお守りが中心です。目的に応じて選ぶことで、より深い参拝体験が得られるでしょう。