両地域の製品を並べて食べ比べると、驚くほど緻密な違いが見えてきます。基本となるレシピは厳格に守られているものの、東西それぞれの工場で使用される小麦粉のブレンド比率や製造ラインの気候環境により、焼き上がりの質感には微細な個性が宿ります。
九州産の上質なインゲン豆(隠元豆)から作られる名物の黄味餡は、どちらもしっとりとしたコクを持ちますが、一部の愛好家の間では「福岡版は皮がやや薄く餡の風味がダイレクトに届き、東京版は皮の香ばしさと餡のバランスがまろやか」と語られることも少なくありません。また、職人の手の感覚を再現した成型技術によって、ひよこの「くちばし」の角度や首の傾き具合、ボディのふくよかさにも、ロットや地域によるわずかな表情の差が生まれています。