突然のめまいと動悸の正体|迷走神経反射とパニック障害の違いを解明

突然のめまいと動悸の正体|迷走神経反射とパニック障害の違いを解明

突然のめまいと動悸の正体|迷走神経反射とパニック障害の違いを解明を徹底追究! 読者が気になる 重要ポイントを分かりやすく展開します。

日本循環器学会の診断指針や厚生労働省の統計的データが示す以上に、患者を苦しめているのが「迷走神経反射とパニック障害の併発」です。身体的な失神反射が発端となり、精神的なパニック障害へと移行していく臨床パターンは、決して珍しくありません。

都内のIT企業に勤務する30代男性の手記には、その生々しい変遷が綴られています。

「蒸し暑い通勤電車の中で突然目の前が真っ白になり、駅のホームで意識を失って倒れました。救急車で運ばれましたが検査結果は『過労による迷走神経反射』で異常なし。しかし、その日を境に『また電車で倒れて他人に迷惑をかけるのではないか』という猛烈な恐怖が消えなくなりました。やがて改札口を見るだけで心臓が激しく波打ち、喉が詰まるように息ができなくなって各駅停車にすら乗れなくなってしまったのです」

この手記に見られるように、最初は脱水や疲労を契機とした純粋な血管迷走神経性失神であったものが、「人前で倒れた」という強烈な体験がトラウマとなり、脳の偏桃体に恐怖記憶として刷り込まれます。その結果、「また発作が起きるのではないか」という予期不安と広場恐怖(すぐに逃げ出せない場所や助けが得られない状況を極度に恐れる状態)が形成され、本格的なパニック障害を発症してしまうのです。

臨床の現場でも、失神を経験した患者の約15〜20%が何らかの予期不安を抱え、行動制限を自らに課してしまうデータが存在します。「迷走神経反射だから精神的な問題ではない」「パニック障害だから心因性にすぎない」と二者択一で切り離すのではなく、身体反応から精神反応へと連鎖する負のサイクルを断ち切ることが不可欠です。

前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。