ケーキの主役であるいちごは、切り方と配置のパターンを変えるだけで全体の表情を一変させます。sweetsvillageの製菓コラムなどでも注目を集めているのが、花びらのようにいちごを重ねる繊細なフラワーデコレーションです。
この華やかなバラ仕立てを作る際は、まずいちごを1粒あたり5枚程度(厚さ2〜3mm)に均等に薄切りスライスします。ここでの重要なプロの技は、先端部分と中央の幅広部分をあらかじめトレイの上で選別しておくことです。ケーキの中心から外側に向かって、まずはしっかりとした中央のスライスを円形に重ね、中心部に近づくにつれて小さめの先端パーツを立てるように巻き込んでいくことで、本物の薔薇が咲いたような優美な立体感が生まれます。
一方で、丸ごとのいちごを使った王道のホールケーキデコレーションでは、三角形や五角形を意識した「幾何学的配置」が安定感をもたらします。粒の大きさをミリ単位で揃え、ヘタを切り落とした底面をしっかりとクリームに密着させます。いちごの先端がすべてケーキの中心を向くように斜めに傾けて配置すると、ケーキ全体に求心力が生まれ、小ぶりな4号・5号サイズでも堂々とした存在感を放ちます。
シックな印象に仕上げたい場合は、あえてヘタの緑色を少量残したまま縦半分にカットし、断面を見せるようにクリームの間へ差し込むレイアウトが有効です。赤と白のコントラストにフレッシュなグリーンが加わることで、色彩の彩度が一気に引き締まり、洗練されたカフェ風のビジュアルへと昇華します。