肛門周囲膿瘍の治療において、第一選択となるのは溜まった膿を外に出す「切開排膿(せっかいはいのう)」です。膿を閉じ込めている皮膚を数ミリから1センチ程度メスで切開し、内部の膿を完全に排出・洗浄します。
多くの患者が最も恐れるのが「切開排膿は痛いのか」という点です。処置の際には患部の皮膚に局所麻酔を打ちます。化膿して内圧が高まっている組織への麻酔注射にはチクッとした鋭い痛みを伴いますが、切開して膿がドッと外へ出た瞬間、それまで耐えていた脈打つような激痛は劇的に消失します。「麻酔の一瞬の痛みを耐えれば、数日苦しんだ地獄のような痛みから一気に解放される」というのが、実際の治療現場における多くの患者の実感です。
治療の選択肢、入院期間、自己負担費用(健康保険3割負担適用時)の目安を以下の比較表にまとめました。
急性期の切開排膿は、大半のクリニックで初診当日に外来で実施可能です。痔ろうへ移行した場合の根治手術については、病型の複雑さや患者の生活環境に応じて「日帰り手術」か「数日〜1週間の入院手術」かが選択されます。