地下深くで進む工事は、まさに神経外科手術のような緻密さを要求される。泉岳寺駅は都営浅草線を運営する東京都交通局と、羽田・横浜方面を結ぶ京浜急行電鉄が相互直通運転を行う極めて重要な結節点だ。1日数十万人の乗客を運びながら、運行を1本も止めることなく駅を拡張・改修する試みが続いている。
両者が連携して進める鉄道インフラの刷新は、輸送力増強だけに留まらない。異常気象によるゲリラ豪雨や東京湾沿岸の高潮リスクを見据え、地下浸水防止扉の多重化や電源設備の地上高層階への移設など、先進的な防災機能が組み込まれている。
線路とホームの安全性を担保する可動式ホーム柵の更新や、直通ダイヤの乱れを即座にリカバリーする信号制御システムの高度化も水面下で加速する。東京の南の玄関口を支える鉄道ネットワークのバックボーンが、ここで一新されようとしている。