溶接現場で頻繁に混同されるのが、ブローホールと「ピット(Pit)」の区別です。両者はどちらもガスに起因する空洞欠陥ですが、欠陥が存在する位置と開口の有無によって明確に分類されます。
ピットは、溶接ビードの表面に開口している微小な穴(気孔)を指します。目視検査(外観検査)で直接確認できるため、作業者や検査員が初期段階で発見しやすいのが特徴です。これに対し、ブローホールはビードの内部やルート部に完全に埋もれているか、ごくわずかな表層下に潜んでいる空洞を指し、外観からその有無を判別することはできません。
注意すべきは、「ビード表面にピットが1つ見つかった場合、その直下の金属内部には無数のブローホールが群生している可能性が極めて高い」という点です。ピットは表面に逃げ遅れたガスの一部が顔を出したサインにすぎません。表面の穴だけを削って埋めるような安易な対処は、内部欠陥を放置することにつながるため厳禁です。