AKB48がブレイクを果たす過程で生まれた言葉が「神7(かみセブン)」です。2009年の第1回選抜総選挙で上位7位に入った前田敦子、大島優子、篠田麻里子、板野友美、高橋みなみ、小嶋陽菜、渡辺麻友の7人は、グループの黄金期を牽引する絶対的なアイコンとなりました。
しかし、国民的トップアイドルへと登り詰める裏側で、メンバーたちの心身は限界に達していました。特に象徴的だったのが、不動のセンターを務め続けた前田敦子の卒業理由です。
『AKB48 歴代センター変遷』の歴史において、グループの顔であり続けた前田敦子は、総選挙での熾烈な順位争いや世間からのバッシングを一身に背負いました。後に特番インタビューや自著で語られた「自分を押し殺してセンターに立ち続ける孤独」「表現者として外の世界へ飛び出さなければ自分が壊れてしまうという恐怖」という生の告白の通り、2012年8月の東京ドーム公演での卒業発表は、自らの人間性と女優としての未来を守るための必然の決断でした。
一方、ブレイク前にグループを去った初期メンバーの脱退理由は様々です。2006年3月に第1号の卒業生となった宇佐美友紀のように自身のタレント適性を見極めて早期決断を下したケースや、連日のハードレッスンによる体調不良、学業との両立困難、芸能界の規律違反による契約解除など、少女たちが背負うにはあまりに重い現実が劇場の裏側にありました。