室内で見つかる微小な幼虫は、発見された「場所」によってある程度その種類を特定できます。虫たちはそれぞれ好む栄養源や湿度が明確に分かれており、出没ポイントこそが発生源を突き止める最大のヒントとなります。
まず、クローゼットやタンス、ウール製カーペットの隙間などで見かける体長2〜4ミリ前後の毛が生えた黒褐色の幼虫は、黒い小さい芋虫の正体として最も相談件数が多い「ヒメマルカツオブシムシ」の幼虫です。動物性繊維や乾燥食品、昆虫標本などを好んで食害し、脱皮を繰り返しながら約300日もの長期間を幼虫の姿で過ごします。成虫は白と黒のまだら模様をした小さな甲虫で、春先にキク科の花の花粉を求めて飛び回る過程で洗濯物などに付着し、室内に侵入して産卵します。
一方、お風呂場や洗面所、キッチンのシンク周辺といった水回りを這っている体長3〜8ミリほどの黒っぽく細長いウジ状の幼虫は、「チョウバエ」の幼虫です。排水口の内側やエプロン内部に蓄積した皮脂汚れや石鹸カス、いわゆる「バイオフィルム(ヘドロ)」を主食として増殖します。動きは緩慢ですが、放っておくと羽の生えた逆ハート型の成虫が無数に飛び交う事態に直結します。
キッチンの乾物ストッカーや米びつの周辺で見られる黒褐色〜赤褐色の頭部を持つ白〜灰黒色の幼虫は、ノシメマダラメイガやシバンムシの幼虫が疑われます。これらはビニール袋を食い破る強靭な顎を持ち、米、パスタ、小麦粉、香辛料、チョコレートやドッグフードに至るまであらゆる乾燥有機物を食害します。
さらに、玄関のたたきや窓際のフローリングで、触れるとゼンマイのように丸まる細長く黒光りした虫は「ヤスデ」の幼虫です。ヤスデは昆虫ではなく多足類に分類され、基本的には土壌の有機物を食べる外の生物ですが、梅雨の長雨や真夏の猛暑による乾燥を嫌い、床下の隙間やサッシの隙間から家屋へと這い上がってきます。