両者の違いを理解するうえで、まず押さえるべきはカットの基本構造です。美容師がスタイルを設計する際、最も意識しているのは「アウトラインの段差」と「フォルムの重心」の2点に集約されます。
ボブ(ワンレングス・グラデーションボブ)の基本は、トップ(頭頂部)の髪が長く、裾に向かって重なる構造です。表面の毛髪が毛先まで覆いかぶさるため、髪全体に均一なまとまりと面(ツヤ)が生まれます。その結果、丸みの重心があご先から耳下付近の低い位置に設定され、クラシカルで落ち着いた、女性らしい柔らかな印象を醸し出します。
対照的にショートヘアは、トップからアンダーにかけて細かく段差(レイヤー)を刻み込み、頭部の丸みに沿って毛量を削ぎ落とす構造です。表面の髪が短く軽いため、丸みの重心が耳や頬骨の高さまで引き上がり、後頭部にシャープな立体感が生まれます。これにより、首筋が露出してリフトアップ効果をもたらし、活動的で洗練された空気感を放ちます。
見分ける際の最も明快な基準は襟足の長さと段差です。襟足が上の髪に隠れて面を作っているならボブ、襟足が首筋に沿ってタイトに切り込まれ、上の髪との間に明瞭な段差があるならショートと判断できます。