日芸江古田キャンパスに一足足を踏み入れると、一般的な大学キャンパスとは明らかに異なる空気が漂っています。エントランスホールには各学科の自主企画ポスターや公演チラシが隙間なく並び、廊下の片隅では台本を読み込む演劇学科の学生や、ポートフォリオを広げて議論を交わすデザイン学科のグループの姿が日常的に見られます。
施設面において最大の強みといえるのが、プロユースの商業スタジオに匹敵する本格設備の数々です。天井高を十分に確保した大型映画撮影スタジオ、Dolby Atmosなどの立体音響制作に対応したMA・録音ルーム、ブラックボックス型のアトリエ劇場、大型工作機械を備えたデザイン工房など、現場即戦力を育てるインフラが凝縮されています。機材貸出窓口には、業界標準のシネマカメラや照明機材が整然と保管されており、学生証一枚でこれらを借り出して作品作りに没頭できる環境は、専門学校や小規模美大と比較しても圧倒的なアドバンテージです。
また、学生生活に欠かせないのが「食」の環境です。キャンパス内の学生食堂(カフェテリア)は、リーズナブルな価格設定でありながらボリューム満点の定食メニューが揃い、昼休みには制作の合間に熱弁を振るう学生たちで席が埋まります。さらに日芸生の制作活動を支えているのが、江古田という街そのものです。キャンパス周辺には、昭和レトロな喫茶店や深夜営業の定食屋、老舗ベーカリーが点在しています。「江古田の街全体が第二の部室のようなもの」と学生が口を揃える通り、教授やプロの先輩、仲間と朝まで芸術論を語り合える街の包容力が、学生たちの精神的なセーフティネットとして機能しています。