結婚から数年が経過した頃、ネット空間ではまことしやかに別居報道の真相や離婚説の理由が議論され始めました。検索エンジンで「出川哲朗の奥さん 生きてる」という極端な検索ワードが現れた背景には、バラエティ番組における出川さんの自虐トークと、メディア環境特有の誤解の増幅がありました。
出川さんは番組内で、妻から家庭内で「クソ哲」と呼ばれていることや、朝起きたら「クソ哲、起きて〜」と起こされるというクソ哲エピソードを面白おかしく披露していました。さらに「10年以上スキンシップがない」「寝室は完全に別々である」といった告白を繰り返したため、事情を知らない視聴者やネットメディアが「仮面夫婦なのではないか」「すでに別居して離婚秒読みだ」と話を膨らませてしまったのです。
しかし、関係者の証言や当時の取材記録を精査すると、現実は全く異なります。寝室を別にしている理由は、過酷なロケや早朝・深夜に及ぶ出川さんの不規則な仕事スケジュールに配慮した実利的な選択でした。相手の睡眠を妨げないための配慮が、外部からは「不仲」と曲解されたに過ぎません。
また、ふたりの間に子供がいない理由についても様々な憶測が飛び交いましたが、夫婦間で話し合いを重ねた結果としての選択であり、ふたりだけの生活を慈しむ人生観を共有していたことが分かっています。過激なワードで家庭内の奇抜さを語るのも、芸人として「家庭円満で幸せな出川哲朗」よりも「家でも虐げられている情けない出川哲朗」を演じるプロ意識の表れでした。阿部瑠理子さんも夫の芸風を深く理解しており、テレビ上のネタとして笑いに変えることを許容していたのです。