ネット上で「トラウマ画像」として拡散されているリアルなスポンジ・ボブの元凶を辿ると、特定の著名な3Dアーティストの作品や、近年の画像生成技術に行き着きます。その代表格が、アメリカ・カリフォルニアを拠点にする3Dデジタル彫刻家ミゲル・バスケス(Miguel Vasquez)氏が手掛けた一連の作品群です。
バスケス氏は2017年頃から「もしアニメキャラクターが現実に存在したら」というコンセプトのもと、驚異的な造形力を用いて3Dモデルを制作し始めました。彼が生み出したスポンジ・ボブは、直方体の肉体に無数の毛穴と窪み、むき出しの歯茎と黄ばんだ歯、そして充血した人間の眼球が埋め込まれた異様な姿でした。この画像がRedditやX(旧Twitter)、Instagramに投稿されるやいなや、瞬く間に数百万単位のインプレッションを記録し、「夢に出てくる」「公式の狂気かと思った」と世界中で大炎上にも似たバズを巻き起こしました。
バスケス氏の筆はスポンジ・ボブだけに留まりません。無二の親友であるヒトデのパトリックは「ピンク色の肥満体型をした中年男性の肉体に、生々しい皮膚のシワと小さな目が埋まった怪人」として再構築され、隣人のイカルドは「極端にたるんだ灰緑色の肌と、巨大な鼻、疲弊しきった虚無の瞳を持つ異形の老人」として立体化されました。これらの作品は、アート界隈では「ポップカルチャーのグロテスクな脱構築」として称賛される一方、一般の視聴者には強烈な視覚的ショックを与えたのです。
さらに現在では、MidjourneyやStable Diffusionといった高度な画像生成AIの普及により、一般ユーザーでも簡単に「超リアルな実写風スポンジ・ボブ」を生成できるようになりました。CGスタジオ顔負けのフォトリアルな質感を持つクリーチャー画像が日々SNSに投下され、検索エンジンやショート動画のサムネイルとして広がり続けているのが実態です。