テレビ朝日の看板番組である『相棒』をはじめ、『踊る大捜査線』などの大ヒット刑事ドラマでは、しばしば「現場の捜査員」と「本省のキャリア官僚」との衝突がスリリングに描かれます。ドラマ作品の中で描かれるこの緊張感の正体こそが、まさに両組織の構造的差違に他なりません。
警視庁は東京都を管轄する地方警察組織であり、実際に現場へ臨場して捜査を行う実働部隊です。これに対し、警察庁は国の防衛・公安・交通などの広域的な施策を立案する中央省庁であり、自ら事件の捜査手続を行うことは原則としてありません。劇中で描かれるような階級意識や権力関係の軋轢は、単なるフィクションの演出にとどまらず、国家公務員として組織を統括する側と、地方公務員として現場に立つ側との立場上の隔たりを極めて象徴的に反映していると言えます。