感謝の正拳突きの真相!ネテロの元ネタと樽江突撃が辿り着いた境地

感謝の正拳突きの真相!ネテロの元ネタと樽江突撃が辿り着いた境地

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「感謝の正拳突き」が描かれたのは、単行本第25巻・第265話「突入⑤」です。キメラ=アント編のクライマックス、王直属護衛軍のネフェルピトーが守る宮殿上空へネテロとゼノ=ゾルディックが突入する息を呑む瞬間に、突如として挿入された数ページに及ぶ回想シーンに端を発します。

ネテロがこの奇行とも呼べる荒行に身を投じた背景には、武道家としての深刻な葛藤がありました。46歳の冬、自らの肉体と技術の限界を痛感したネテロは、これまでの人生を武道に捧げさせてくれたことへの深い恩義を自覚します。自分を育ててくれた武道そのものに対し、恩返しをしたいという一念から導き出した答えが「気を整え、祈り、構えて、突く」という一連の所作を一日一万回繰り返すことでした。

初日は一万回を突き終えるまでに約18時間を費やし、突撃後は倒れるように眠る過酷な極限状態でした。ところが2年余りが過ぎた頃、変化が訪れます。一万回を突き終えても太陽がまだ沈んでいないことに気づいたネテロは、さらなる領域へと踏み込みます。そして5年が経過した50歳の冬、完全に無駄を削ぎ落としたネテロの拳は、わずか1時間未満で一万回の突きを終えるまでに研ぎ澄まされ、ついには「音を置き去りにした」と語られる神速の領域へと到達しました。

山を下りたネテロが名門道場の師範代と立ち会った際、自慢の右拳から放たれた一撃は音よりも速く相手の眼前に突き刺さり、師範代は恐怖ではなく圧倒的な感謝の念と神々しさに打たれて涙を流し、弟子入りを懇願します。この「過酷な鍛錬の末に感謝という精神的昇華が超常の肉体能力を生む」というプロットこそが、読者に強烈な畏怖と感動を与え、後世に語り継がれるレジェンドエピソードとなりました。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。