『仮面ライダーW』の成功を語る上で欠かせないのが、もう一人の主演・左翔太郎を演じた桐山漣との関係性です。当時24歳ですでに下積みを経験していた桐山漣と、大阪から上京したばかりの16歳・菅田将暉。8歳という年齢差がありながら、二人は1年間の撮影を通じて単なる仕事仲間を超えた強いバディシップを構築していきました。
右も左も分からず現場で戸惑う菅田将暉を、私生活を含めて兄のように支えたのが桐山漣でした。アフレコの呼吸の合わせ方から、現場での振る舞い、精神的なプレッシャーの解消まで、桐山の存在なくしてフィリップというキャラクターの成立はありませんでした。最終回近くの撮影において、台本上の設定を超えて二人が本気で涙を流し合い、スタッフ全員がもらい泣きしたというエピソードは、特撮ファンの間で不朽の美談として語り継がれています。
放送終了後も二人の交流は続き、週刊ビッグコミックスピリッツでの特別対談やグラビア企画、さらには『W』の正統続編漫画『風都探偵』のアニメ化や舞台化の際にも、互いのSNSやコメント欄でエールを送り合っています。「漣くんがいなかったら今の自分はない」と公言する菅田将暉の言葉には、作られた友情ではない本物の敬意が宿っています。