「力士本人が自分で購入しているのか?」という疑問を抱く方も多いですが、力士が自腹で化粧まわしをあつらえることは原則としてありません。化粧まわしは、後援会、タニマチと呼ばれる個人支援者、企業スポンサー、あるいは力士の出身自治体や母校(相撲部OB会など)から「お祝いの品」として贈呈されるのが慣例です。
大相撲の世界には厳格な身分制度が存在し、化粧まわしを締めて土俵入りを行う資格が与えられるのは「十両(十枚目)」以上の関取に限られます。幕下以下の力士(力士養成員)は稽古まわしや黒・紺の締め込みしか着用できません。十両昇進が決まった瞬間、力士は初めて「一人前」と認められ、後援会や支援企業が一斉に化粧まわしの発注へと動きます。
贈呈元の内訳を見ると、近年は個人タニマチの単独寄贈だけでなく、上場企業によるオフィシャルスポンサーシップとしての寄贈が増加しています。土俵入りはNHKのテレビ中継をはじめ、各種メディアやインターネット配信で大写しになるため、企業にとっては伝統文化支援のCSR活動(社会的責任)と広告露出を兼ね備えた極めて有効なブランディングの場として機能しています。