しかし、美容医療に飛びつけばすべてが解決するわけではありません。現場の取材を進めると、不十分なカウンセリングや未熟な手技によるマリオネットラインの美容整形失敗の真相が浮き彫りになります。
最も典型的なトラブルが、ヒアルロン酸の「過剰充填」です。大手クリニックの元院長を務める形成外科専門医は、取材に対して次のように警鐘を鳴らします。
「マリオネットラインの溝を平らにしようと、下垂した脂肪のすぐ内側にヒアルロン酸を大量に流し込む医師がいます。結果として口元の厚みだけが増し、まるで猿のように口先が前に突き出た『マズル顔』や、笑った時に不自然な塊が浮き出る『ピローフェイス(枕顔)』になってしまう相談が後を絶ちません」
SNSや美容医療口コミサイトでも、「糸リフトを入れた直後から皮膚が凹凸に引きつれ、数ヶ月間外出できなかった」「高額な糸を入れたのに3ヶ月で元に戻ってしまった」という痛切な告白が多数確認できます。糸リフトは脂肪を元の位置に留めるためのものであり、過度に強い力で引き上げれば皮膚の薄い部位に強い陥凹(ディンプル)を生じさせます。さらに、口角下制筋に打つボトックス注射においても、わずか数ミリの注入位置の狂いで口輪筋に薬剤が拡散し、「笑顔が左右非対称になる」「水が口からこぼれる」といった機能障害を引き起こす事例が現実に起きているのです。