食のプロフェッショナルを育成する辻調理師専門学校をはじめとする教育研究機関でも、フルーツを料理の構成要素として捉えるガストロノミーの視点からいちじくの科学的探求が進んでいる。いちじくの甘味成分である果糖やブドウ糖、そして独特のプチプチとした食感を生む小果(花)の構造は、塩気や発酵食品と結びついた瞬間に真価を発揮する。
例えば、ブルーチーズや生ハム、マスカルポーネとの組み合わせは、単なる定番を超えた合理的な味覚の調和に基づいている。乳脂肪分がいちじくの渋みをまろやかに包み、フィシンの働きによる後味のキレを際立たせる。さらに黒胡椒を一挽きしたり、少量のオリーブオイルを垂らすことで、デザートの枠を超えた洗練された前菜へと昇華する。