ミームの爆発的普及を決定づけた要因は、シーン内に散りばめられた複数の「記号的要素」の完璧な連鎖にありました。
最大の触媒となったのが、Uruが歌う第2期エンディングテーマ『フリージア』の劇中での使われ方です。サビではなく、静謐なイントロから「希望の花〜」と歌い出される透明感あるボーカルが、オルガの被弾とほぼ同時にフェードインしてきます。シリアスな悲劇を美しく彩るはずの演出でしたが、暗殺シーンの唐突さと相まって、視聴者の情緒に急激な揺さぶりをかける結果となりました。
ネットコミュニティでは、この演出が「誰かが致命的な失敗を犯したり、理不尽なトラブルに巻き込まれた瞬間に流れる処刑用BGM」として再解釈されました。あらゆるゲーム実況や日常のハプニング映像において、被弾や転倒の瞬間に『フリージア』のイントロを重ね、倒れながら人差し指を立てるポーズを模倣する動画が大量に投稿されるようになります。
ブルーバック(BB素材)として切り抜かれたオルガの立ち姿は、文脈を問わずあらゆる背景に合成可能な「万能の素材」となりました。重厚なロボットアニメの悲劇という元々のコンテクストから切り離され、純粋な記号・テンプレートとして流通したことが、長寿ミームへと昇華した真相と言えます。