粉糖とは、高純度の精製糖であるグラニュー糖を機械で極限まで細かく粉砕し、微粉末状(粒度およそ10〜20マイクロメートル)に加工した砂糖です。英語では「Powdered sugar」や「Confectioner's sugar」、フランス語では「Sucre glace(シュクル・グラス=氷の砂糖)」と呼ばれ、世界中の製菓現場で基礎素材として重用されています。
家庭で一般的に使われる砂糖と比較すると、物理的・化学的な挙動において決定的な違いが生じます。
まず粉糖とグラニュー糖の違いは、純度や甘味の質そのものは同じ(ショ糖純度約99.9%)であるものの、結晶の大きさが桁違いに異なる点にあります。通常のグラニュー糖は結晶が目に見えるサイズ(約0.2〜0.5ミリメートル)ですが、粉糖は小麦粉と同等レベルのパウダー状です。このため、冷たいバターや卵白と混ぜ合わせても瞬時に溶け込み、ザラつきを一切残しません。
一方、粉糖と上白糖の違いはさらに顕著です。日本の家庭でおなじみの上白糖は、結晶表面に「転化糖(ブドウ糖と果糖の混合物)」をスプレーして保水性としっとり感を持たせています。対して粉糖はサラッとしたグラニュー糖由来であるため、クッキーやタルト生地に使うと余分な水分を与えず、噛んだ瞬間にホロホロと崩れる軽快なサクサク感を生み出すことができます。「しっとり仕上げたいパウンドケーキには上白糖」「歯切れよく焼き上げたいサブレには粉糖」という使い分けは、まさにこの性質の違いから生まれています。