作業中に最も発生しやすいトラブルが、指先や皮膚同士の接着です。シアノアクリレートは皮膚の水分で急激に硬化するため、一瞬でガチガチに固まります。このとき絶対にやってはいけないのが「力任せに指を引き離すこと」です。無理に剥がそうとすると、表皮が接着層に引っ張られて剥離し、出血や激しい痛みを伴う怪我を引き起こします。
皮膚に付いた場合の基本かつ最も安全な対処法は、40℃〜42℃程度のお湯を使う方法です。洗面器やボウルにやや熱めのお風呂程度のお湯を張り、接着した部分を浸します。数分間温めると、皮膚から分泌される皮脂や汗、そして水分と熱の作用によって、接着面と角質層の間にわずかな隙間が生じます。お湯の中で指をゆっくりとすり合わせるように揉みほぐすことで、皮膚を傷めずにポロポロと剥がれ落ちていきます。
「お湯だけではなかなか取れない」「固まった膜が厚い」という場合には、アセトンが含まれた除光液、または薬局で購入できる消毒用エタノールを併用します。コットンに除光液をたっぷり含ませ、接着部分に当てて数分間パックするように浸透させると、シアノアクリレートの結合が分解され、徐々に柔らかくなります。なお、作業後は皮膚の油分が失われて乾燥しやすくなるため、石鹸でしっかり洗い流した後にハンドクリームやワセリンで十分な保湿ケアを行ってください。