進学校である越谷北高校に進学した佐藤健さんですが、高校生活の中心にあったのは受験勉強ではなくブレイクダンスでした。当時流行していたストリートダンスカルチャーに強い衝撃を受け、部活動ではなく民間のスクールや地元の仲間たちとチームを組み、ダンスに熱中していきました。
放課後になると駅前やダンススタジオ、公園に集まり、夜遅くまでウィンドミルやヘッドスピンなどの高難度トリックを反復練習する日々。「授業中は眠くて寝てばかりいた」と本人が後年のトーク番組で述懐するほど、青春のエネルギーのすべてをダンスに注ぎ込んでいました。この時期に培われた卓越した体幹の強さ、リズム感、そして空間把握能力は、後の映画『るろうに剣心』シリーズをはじめとするアクションシーンの土台となっています。
そんな彼の運命を大きく変えたのが、高校2年のゴールデンウィークに起きた原宿でのスカウト経緯です。友人と一緒に人生で初めて原宿の竹下通りを訪れた際、大手芸能事務所アミューズのスカウトマンから声をかけられました。当時、街頭スカウトは日常茶飯事だった原宿において、事務所側が「圧倒的な透明感と目力の強さ」に一目惚れした瞬間でした。芸能界に憧れを抱いていたわけではなかったものの、持ち前の好奇心から所属を決め、俳優としての第一歩を踏み出します。