現在でこそ、ダンディで温かみのある「理想のおじさん」として高い人気を誇る彼だが、20代から30代の若かりし頃の姿は驚くほど鋭利だった。肩まで伸びた無造作な髪、煙草の煙の向こうで見開かれた鋭い目つき、そしてどこか影のある表情。まるでフランスのヌーヴェルヴァーグ映画に出てくる反逆児のような雰囲気を醸し出していた。
メディアで過去のプライベートショットや初期の作品集が取り上げられるたび、ネット上では「色気が凄すぎる」「今の若手俳優にはない危うさがある」と驚嘆の声が上がる。洗練された現代のトレンドとは対極にある、泥臭さとニヒリズムが同居したその容姿。それは、時代の波に安易に乗ろうとせず、己の感性だけを頼りに生きてきた男だけが持ち得る本物のオーラだった。