白菜の葉ショウ(白い軸の部分)に散らばる黒いごまのような微細な斑点。この白菜の黒いぶつぶつの正体は、農業用語で「ゴマ症(ごましょう)」と呼ばれる植物の生理障害です。
消費者が最も懸念する「カビの胞子」「害虫の排泄物」「農薬の結晶」といった疑念は、植物病理学および食品衛生学の観点から完全に否定されています。ゴマ症の黒色変化を引き起こしている正体は、緑茶や赤ワイン、玉ねぎなどにも豊富に含まれる天然の抗酸化物質「ポリフェノール」です。
白菜の細胞内には、もともと無色に近いフェノール性化合物が含まれています。ところが、生育環境の変化や栄養状態の偏りによって細胞が物理的・生理的なストレスを受けると、細胞内の酸化酵素(ポリフェノールオキシダーゼなど)が活性化します。これによってフェノール類が酸化・重合し、黒色から褐色の色素であるメラニン様物質へと変化して細胞壁に蓄積します。これが人間の肉眼に「黒い点々」として映るメカニズムです。
結論として、白菜 ゴマ症の毒性は「ゼロ」です。病気ではなく、人体に害を及ぼす細菌や毒素は一切含まれていません。むしろ抗酸化物質であるポリフェノールが凝縮している状態であり、白菜の黒い点々は食べられるどころか、過酷な自然環境に耐えて栄養を蓄えた証拠でもあります。